食べログで事前決済ができるのか疑問に思う方は多いと思います。
結論として、国内版と多言語版では事前決済は利用できません。支払いは来店時が基本です。ただし、WeChatミニプログラム経由のコース予約のみ、予約時に事前決済ができます。
本記事では、事前決済が可能なケースや特徴、導入時に確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。
目次
食べログ事前決済は通常予約ではできない
国内版の食べログ予約では、基本的に事前決済は導入されていません。飲食代金は来店時に現地で精算するのが原則です。
一部の予約でクレジットカード登録を求められる場合がありますが、これは キャンセル料の担保 が目的です。キャンセル規定を超えて取り消しが発生した際に、カードからキャンセル料を請求できる仕組みであり、料理代金そのものを前払いするものではありません。
そのため、通常の席予約やコース予約では「予約時に料金が支払われる」ということはありません。
多言語版予約(インバウンド向け)の場合
多言語版(インバウンド向け)でも、飲食代金の事前決済はできません。
訪日客向けの多言語版サイト経由の予約では、予約確定時にシステム利用料のみが決済される場合がありますが、料理代は来店時支払いとなります。登録されたクレジットカード情報は、キャンセル料の請求に使用されることがあるだけで、飲食代金の前払いには利用されません。
この仕組みが、事前決済と混同されやすいポイントです。
食べログ事前決済が発生する特別なケース
食べログの通常のネット予約では事前決済は利用できません。ただし、「WeChatミニプログラム(Tabelog 日本美食餐店予約)」経由のコース予約に限り、事前決済に対応しています。
WeChatミニプログラム経由のコース予約事前決済
食べログが提供する「WeChatミニプログラム(Tabelog 日本美食餐店予約)」では、訪日中国人ユーザー向けに、予約時の事前決済機能が利用できます。
中国版SNS「WeChat(微信)」上で、コース予約と決済まで一括で完結できる仕組みです。
概要
・WeChatミニプログラム経由のコース予約で事前決済が可能
・対象はコース予約のみ
・利用には店舗側での設定が必要
食べログ国内版・多言語版・WeChatミニプログラムの違い
食べログには、国内向けの予約導線だけでなく、訪日外国人向けや中国ユーザー向けの予約チャネルも用意されています。それぞれで機能や利用シーンが異なるため、まずは特徴を整理しておくことが重要です。以下の比較表で違いを確認しておきましょう。
| 項目 | 食べログ国内版 | 食べログ多言語版 | WeChatミニプログラム |
| 主な利用者 | 日本国内のユーザー | 訪日外国人ユーザー | 中国のWeChatユーザー |
| 対応言語 | 日本語 | 英語・中国語など 複数言語 |
中国語(簡体字) |
| コース 事前決済 |
対応なし | 対応なし | 対応あり |
| 従量料金 | ディナー200円/人 ランチ100円/人 |
国内と同様 | 国内と同様 |
| キャンセル料 の請求 |
「Payn for 食べログノート」 などを活用 |
「キャンセル料請求機能」 で請求可能 ※インバウンド予約向け キャンセルポリシーの設定が必須 |
席のみ予約 「Payn for 食べログノート」 などを活用 コース事前決済 |
出典:「食べログWeChatミニプログラム(Tabelog日本美食餐厅预约)とは」
食べログ事前決済(コース予約)の導入方法
コース予約事前決済を利用するには、店舗側での申込みと設定が必要です。
導入条件と申込み
・食べログネット予約サービスを契約していること
・管理画面から「コース予約事前決済機能」を申込み、承認を受けること
・コース料金の振込先口座とインバウンド予約(食べログ多言語版)のキャンセルポリシーの設定、利用規約に同意すること
・コースのネット予約受付先でインバウンド予約(食べログ多言語版)を対象としたコースを作成すること
利用開始までの流れ
1.管理画面から申込み
2.食べログ側で審査
3.承認後、店舗のコースに「事前決済対応コース」として設定可能
4.公開後、予約時にユーザーがコース料金を前払いできるようになる
導入には一定の手間がありますが、売上の安定化や無断キャンセル防止に直結するため、積極的に検討する価値があります。
食べログ事前決済(コース予約)の運用ポイント
コース予約事前決済機能を導入した店舗は、通常の予約と比べて運用ルールが大きく異なります。特に キャンセル対応・人数変更・入金管理 の3点は事前に理解しておくことが重要です。
キャンセルと返金対応
事前決済を利用する場合、必ずキャンセルポリシーを設定する必要があります。設定した条件に基づき、キャンセル時には自動的にキャンセル料が決済される仕組みです。
ただし、返金は原則店舗のポリシーに沿って行われ、柔軟な対応は難しい点に注意が必要です。
来店人数変更時の対応
コース予約事前決済では、予約時点で人数分の料金が確定します。そのため、来店時に人数が変動した場合でも、減員分の返金は原則不可 です。
増員があった場合は、事前決済を通じて追加請求することはできないため、店頭での別途精算が必要になります。
詳しくは「食べログ 店舗会員ヘルプ」をご覧ください。
入金サイクルと手数料
利用者から決済された金額は、食べログを通じてまとめて振り込まれます。
・集計期間:来店月の1日〜末日
・振込タイミング:翌月15日頃
・振込金額:コース料金またはキャンセル料から 所定の決済手数料を差し引いた額
このため、実際の売上計上タイミングは現金払いと異なり、翌月振込になる点を理解しておく必要があります。
詳しくは「食べログ 店舗会員ヘルプ」をご覧ください。
食べログ事前決済のメリット・デメリット
コース予約事前決済機能は、無断キャンセル防止や売上の安定化につながる一方で、運用上の制約や費用負担もあります。導入を検討する際は、メリットとデメリットを正しく理解しておくことが重要です。
メリット
1.無断キャンセル防止
予約時にコース代金を受け取れるため、利用者側もキャンセルに慎重になり、いわゆる「ドタキャン」を防ぎやすくなります。
2.客単価の安定
コース料金が事前に確定するため、売上の見通しが立てやすくなります。特に高単価コースを提供する店舗にとっては大きなメリットです。
3.オペレーション効率化
来店時の会計でコース代金のやり取りを省略できるため、現場の負担が軽減されます。
4.インバウンド対応の強化
WeChatミニプログラムなどを通じ、海外からの予約でも事前決済が可能になります。訪日客のニーズに応えることで、新規顧客の獲得につながります。
デメリット
1.人数変更への柔軟性不足
運用ポイントの部分でも触れましたが、減員時の返金は原則できないため、利用者とのトラブルにつながるリスクがあります。増員の場合も現地精算が必要で、完全に自動化できません。
2.返金リスクの存在
キャンセルポリシーに沿った返金対応は可能ですが、条件を超えた柔軟な対応は難しく、店舗と利用者の間で認識の違いが生じることもあります。
3.決済手数料の負担
売上から所定の手数料が差し引かれるため、現金精算と比べて店舗の取り分は減少します。利益率が低い業態では負担感が大きくなる可能性があります。
他社サービスと食べログ事前決済の比較
食べログ以外のグルメ予約サービスでも、事前決済に関連する仕組みが導入されています。ここでは代表的なサービスと食べログを比較し、違いを整理します。
| サービス名 | 事前決済の有無 | 対象 | 決済タイミング | 返金・変更対応 | 手数料・入金サイクル |
| 食べログ | ○ (WeChat経由のみ) |
コース予約 | 予約時にコース代金 を前払い |
増員は現地精算、 減員は原則返金不可 |
来店月末締め →翌月15日振込、 手数料あり |
| ホットペッパーグルメ | × (事前決済機能なし) |
– | – | – | – |
| ぐるなび | ○ (ぐるなび外国語版のみ) |
コース予約 | 予約時に前払い | 店舗の キャンセル規定に準拠 |
導入条件により異なる |
| Retty | × (事前決済なし) |
– | – | – | – |
グルメ予約サービスのポイント
・食べログとぐるなびが、インバウンドのコース予約における事前決済機能を提供
・ホットペッパー、Rettyは現状では事前決済なし
・食べログは「翌月振込」「人数変更の制約」など運用上の特徴がある
飲食店が事前決済を重視する場合は、ぐるなびや食べログが候補になりますが、入金サイクルや返金対応ルールの違いを把握しておくことが重要です。
また、事前決済機能はどちらも「外国人からの予約」向けのサービスですので、その点は注意が必要です。
※ホットペッパーグルメには事前に登録したカードで支払いを行うスマート支払いがありますが、支払いのタイミングは来店後となり事前決済ではありません。
食べログ事前決済に関するよくある質問(FAQ)
食べログの事前決済については、利用者・店舗オーナーともに誤解しやすいポイントが多くあります。ここでは特に問い合わせの多い疑問を整理し、公式情報をもとに回答します。
Q1. 席のみ予約でも事前決済は必要ですか?
A.いいえ、必要ありません。食べログの通常予約は来店時払いが基本で、席のみ予約で料金を前払いすることはありません。カード情報を登録する場合もありますが、これはキャンセル料の担保としてのみ利用されます。
Q2. コース予約をキャンセルした場合、返金はされますか?
A.国内からの予約でキャンセル料を請求する場合は、食べログノートの機能を利用します。事前にカード情報等の登録がないため、予約者に対して請求を送るという形になります。
一方で、インバウンド予約や事前決済での予約の場合はカード情報が登録されていますので、キャンセルポリシーに抵触している場合は規定されたキャンセル料を請求し、登録されたカードから返金処理を行うことが可能です。
返金やキャンセル料の発生は、店舗が設定したキャンセルポリシーに基づいて処理されます。規定を超えての減員は返金対象外となるため、予約前に条件を確認しておくことが大切です。
詳細は食べログ公式ヘルプをご覧ください。
Q3. 店舗に食べログ事前決済を導入するにはどうすればいいですか?
A.食べログネット予約サービスを契約したうえで、管理画面から「コース予約事前決済機能」を申請する必要があります。承認後に対象コースへ事前決済を設定でき、予約時にコース料金を前払いしてもらえるようになります。
※WeChatミニプログラム経由のコース予約のみ
Q4. 事前決済料はいつ入金されますか?
A.来店月の売上は月末で締められ、翌月15日頃にまとめて振り込まれます。振込額は決済手数料を差し引いた金額となるため、あらかじめ入金サイクルを把握しておくと安心です。
Q5. インバウンド予約ではどんな決済が発生しますか?
A.多言語版サイト経由の予約では、1人あたり440円(税込)のシステム利用料が予約時に決済されます。料理代金は来店時払いなので、システム利用料の事前決済と区別して理解する必要があります。
Q6. WeChatミニプログラムでの事前決済は可能ですか?
A.WeChatミニプログラムでは、席予約とコース予約の受付が可能です。このうち、事前決済に対応しているのはコース予約のみです。中国からの予約利用を想定した仕組みのため、訪日前に予約と支払いを完了したい利用者が多く、インバウンド(特に中国からの集客)を強化したい店舗に向いています。
まとめ|食べログ事前決済を正しく理解して活用しよう
食べログの国内版・多言語版ネット予約では、事前決済は利用できず、支払いは来店時が基本です。例外として、WeChatミニプログラム経由のコース予約のみ、予約時点で事前決済ができます。
事前決済は、無断キャンセル防止や売上確保に役立ちますが、人数変更や返金対応など、運用面で確認が必要な点もあります。導入前に、対応ルールを必ず確認しておきましょう。
もし「事前決済以外にも、予約管理を効率化できる方法が知りたい」という場合は、予約システムを比較した記事も参考になります。自店舗に合った仕組みが見つかるはずです。