飲食店にとって、予約管理は売上や顧客満足度に直結する重要な業務です。従来は紙の台帳を使っていた店舗も多いですが、近年では「予約台帳システム(電子予約台帳)」を導入する飲食店が増えています。
本記事では、予約台帳システムの特徴や導入メリット・デメリット、紙の台帳の活用との違いや主要サービスの比較、選定ポイントまでをわかりやすく解説します。
「紙の台帳やノートについて知りたい」「どの予約管理ツールが自分の店に合っているか知りたい」「アナログ管理を効率化したい」と考えている飲食店オーナーや店長の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
予約台帳とは?飲食店における役割と種類
飲食店にとって、予約の管理は顧客満足や売上に直結する重要な業務です。そのために使われるのが「予約台帳」です。予約台帳には、大きく分けて「紙の台帳」と「電子予約台帳(予約管理システム)」の2種類があり、それぞれに特徴があります。
紙の予約台帳の特徴と課題
かつて主流だった紙の予約台帳は、以下のような特徴があります:
・予約を書き込むだけなので、誰でも使いやすい
・コストがかからず、導入が簡単
上記のような使いやすい良い特徴もある中で、課題もあります。
・手書きゆえにミスが起こりやすい
・変更や検索が手間で、情報の共有も難しい
特に、ピークタイムの予約管理では、ダブルブッキングや見落としが発生するリスクが高まることに注意が必要です。
とはいえ、急に電子予約台帳を導入するのは怖いという方も少なくありません。
紙の台帳についてもっと知りたい、おすすめのノートを調べたいという方はこちらの記事をご覧ください。
電子予約台帳(予約管理システム)の特徴
電子予約台帳とは、予約をPCやタブレット上で一元管理できるシステムです。多くはクラウド型で、次のような機能を備えています:
・顧客情報のデータベース化
・オンライン予約サイトとの連携(例:食べログ、ぐるなび)
・スタッフ間でのリアルタイム共有
・予約履歴や分析データの活用
これにより、業務の効率化と接客品質の向上が実現できます。また、店舗の回転率を上げ、機会損失の防止にもつながります。
飲食店における予約台帳の重要な役割
予約台帳は単なるスケジュール帳ではなく、顧客との関係を深めるCRMツールでもあります。
特に電子予約台帳では、過去の来店履歴や好みを把握し、次回の接客に活かすことが可能です。結果として、リピーターの増加やファン化にも寄与します。
一目でわかる!飲食店向け予約台帳システム比較表
飲食店向けの主要な予約台帳システムを、機能・連携・店舗規模などの観点から比較しました。自店舗に合ったシステムを選定する際の参考にしてください。
予約台帳システムには、予約台帳機能を持つ予約受付システムと、予約台帳機能のみを持つシステムがあります。
それぞれ利用状況や求める機能によっておすすめのサービスが変わりますので、予約機能ありシステム6選と、予約台帳のみのシステム3選で分けています。
表は全て横にスクロールが可能です。
予約機能あり!一元管理におすすめ台帳システム6選
| サービス名 | 月額費用 | Googleで予約連携 | 特長・強み | 備考・注意点 |
| Rリザーブ | 4,980円 (キャンペーン中) |
対応 | 固定費型(初期費用0円)で予約手数料なし 紙台帳に近い操作感で、導入サポートもあり |
飲食店特化 予約システムを安く始めたいお店向け |
| TORETA | 非公開 (要問い合わせ) |
対応 | 飲食店向けに特化された高機能予約管理 CRMや顧客管理に強い |
操作しやすい台帳が好評 高機能ゆえコスト高の傾向あり |
| ebica | 10,000円~ (台帳機能プラン) |
対応 | グルメサイト連携(15,000円~)が豊富 複数店舗運営にも強い |
導入時にカスタマイズ相談可能 別途初期費用あり |
| Resty | 非公開 (要問い合わせ) |
対応 | データ分析・販促機能が充実 複数ブランド対応 |
詳細のサービスについては 問い合わせ必須 |
| Table Check | 非公開 (要問い合わせ) |
対応 | 高級店・多店舗向け 多言語対応やキャンセル防止機能が強力 |
運用コストや月額費用 初期設定の負担がやや大きめ |
| GATE | 非公開 (要問い合わせ) |
対応 | 顧客データ活用・販促機能充実 店舗の規模に合わせた運用可能 |
初期費用+月額費用型 オプションによって追加料金あり |
シンプルに台帳機能オンリーのシステム3選
| サービス名 | 月額費用 | Googleで予約連携 | 特長・強み | 備考・注意点 |
| レストランボード | 0円~ (オプションプランあり) |
✕ | Airレジ連携可 無料で予約管理を始められる |
無料プランは機能制限あり ホットペッパー連携の場合は予約手数料あり |
| UMat | 5,500円〜 (要問い合わせ) |
✕ | 電話・ネット予約を一元管理 飲食以外にも対応 |
電話連携はオプション機能 |
| リザーブキーパー | 基本3,300円+ 7,700円×店舗数~etc |
✕ | CTI機能(別途オプション)で電話着信時 顧客情報を自動表示 |
多店舗展開の場合コスト増 |
それぞれのシステムの詳細は次のセクションで紹介しています。是非そちらもご覧ください。
詳細を飛ばして導入メリットなどを先にご覧になりたい方はこちらへジャンプ
おすすめの飲食店向け予約台帳システム9選
飲食店の規模や業態、予算や必要機能に応じて選べる、代表的な予約台帳システムを9個ご紹介します。それぞれに強みがあるため、自店舗に合ったものを選びましょう。
R reserve(アールリザーブ)
Rリザーブは、Googleの「Reserve with Google(旧:Googleで予約)」と連携できる飲食店専用のネット予約システムです。
現在キャンペーン実施中なので月額4,980円・初期費用無料で導入でき、定額制で予約手数料も不要のため、コストを抑えて運用できます。
予約が入るとメール・アプリ・LINE転送など多彩な方法で通知され、予約の見逃しを防ぎます。
さらに予約台帳や顧客管理など日々の業務を支える機能を備え、店舗運営を効率化します。
専任スタッフによるサポート体制も整っており、初めての店舗でも安心して導入可能です。
TORETA(トレタ)
TORETAが提供するトレタ予約台帳は、飲食店向けに特化した予約・顧客管理システムで、Googleで予約との連携が可能です。直感的な操作性とシンプルなデザインが特徴で、複数の予約サイトの情報を一元管理できます。
また、予約データをもとに顧客管理を行い、リピーターの獲得にも役立ちます。
TableCheck(テーブルチェック)
TableCheckは、高級レストランやカフェをはじめ、幅広い飲食店向けに提供されている予約管理システムです。
Googleで予約と連携し、オンラインでの予約受付を簡単に行うことができます。
また、POSシステムとの連携や、多言語対応の予約フォームなど、インバウンド需要にも対応できる機能が充実しています。
ebica(エビカ)
ebicaは、Googleで予約と連携し、飲食店の予約管理を効率化するクラウド型のシステムです。
電話予約・ネット予約を一元管理できるため、予約の重複やダブルブッキングを防ぐことができます。
また、予約分析をしてくれるダッシュボード機能が搭載されており、店舗の稼働率を最大化するためのサポートも行われています。
特に、複数店舗を運営している飲食チェーンにとっては、効率的な予約管理が可能になります。
GATE(ゲイト)
GATEは、オンライン予約の受付をスムーズに行える予約管理システムの「お席トットくん」を提供しており、Googleとの連携にも対応しています。
予約システム以外のサービスも豊富で、店舗の規模や運営スタイルに合わせた運用が可能です。
また、店舗側が管理しやすいシンプルな管理画面を提供し、スタッフの負担を軽減する設計がされています。
Resty(レスティ)

Restyは、紙の台帳感覚で使えるシンプルな操作性が特長の飲食店向け予約システムです。
視認性の高いデジタル予約台帳を中心に、予約情報の一元管理や配席の最適化をスムーズに行えます。
ITに不慣れなスタッフでも使いやすく、小規模店舗から中規模店舗まで幅広く導入されています。
レストランボード(Restaurant BOARD)
レストランボードは、リクルートが提供する無料で使える飲食店向け予約台帳サービスです。紙の予約台帳に近いレイアウトと直感的な操作性で、現場スタッフの負担を軽減します。
ホットペッパーグルメと連携することで、Web予約の自動取り込みにも対応しています。
UMaT
UMaTは、使いやすさとカスタマイズ性に優れたクラウド型の予約台帳サービスです。
紙台帳に慣れたスタッフでも扱いやすい画面設計で、スムーズな現場導入を支援します。
LINEやGoogleマップとの連携により、集客力と予約対応力の両立を実現します。
リザーブキーパー
リザーブキーパーは、POSと連動した高度な予約・顧客管理が可能な飲食店向け統合システムです。
視覚的にわかりやすい予約台帳機能を搭載しており、配席や予約の状況が一目で把握できます。
大規模店舗や多店舗運営を行う飲食企業にも対応できる拡張性の高さが魅力です。
飲食店が予約台帳を導入するメリット
予約台帳を電子化することで、単に「予約を管理する」以上の価値を店舗にもたらします。業務効率の向上から顧客満足度の向上まで、多くの利点があります。
業務の効率化と人的ミスの削減
予約情報の入力・変更・確認をシステム上で行えるため、電話対応や手書きの記録によるミスを削減できます。ダブルブッキングや予約漏れのリスクが低くなり、スタッフの業務負担も軽減されます。
また、リアルタイムで予約状況を共有できるため、ホール・厨房間の連携もスムーズになります。
顧客管理とリピート率の向上
電子予約台帳では、来店履歴や利用目的、好みなどの情報を蓄積できます。これにより、記念日や過去の注文を踏まえたパーソナライズ対応が可能となり、リピーターの獲得・育成に効果的です。
また、顧客ごとの来店頻度や客単価の分析により、戦略的な集客施策も立てやすくなります。
予約チャネルの拡大と売上向上
食べログやGoogleなどの外部予約サイトと連携することで、24時間オンライン予約受付が可能になります。営業時間外の予約取りこぼしを防ぎ、機会損失の削減にもつながります。
また、空席の見える化やテーブルごとの稼働率管理により、効率的な席配置・回転率の向上が実現できます。
店舗運営のデータ活用が可能に
予約データを分析することで、混雑時間帯や曜日ごとの予約傾向、キャンセル率などを可視化できます。これにより、シフト調整やキャンペーン施策の立案など、データに基づいた経営判断がしやすくなります。
飲食店が予約台帳システムを導入する注意点
電子予約台帳には多くの利点がありますが、導入にあたってはいくつかの注意点もあります。失敗しないためには、あらかじめ課題や懸念点を把握しておくことが重要です。
導入コストとランニングコストがかかる
多くの予約管理システムは、初期費用+月額利用料の形で提供されており、無料プランがないものもあります。
また、複数店舗で利用する場合や追加機能を利用する場合は、費用が増えることがあります。
導入前に、費用対効果やコスト回収の見込みを試算しておくことが大切です。
スタッフの操作習得に時間がかかる可能性
紙の台帳に慣れているスタッフにとっては、新しい操作画面や機能に戸惑うケースがあります。特にシニア層のスタッフが多い店舗では、研修やマニュアルの整備が必要になることも。
導入時には、誰でも使える操作性かどうか、またサポート体制が充実しているかを確認しておくと安心です。
店舗の業態や規模によっては使いにくい場合も
カウンター中心の小規模店舗や、予約をほとんど受けない形態の店舗では、システムの機能を持て余す可能性があります。
また、複雑な設定が必要なツールの場合、導入後に現場の負担になることも考えられます。導入前には、店舗の運営スタイルに合っているかをよく検討しましょう。
システム障害やインターネット依存のリスク
クラウド型のシステムはインターネット接続が前提となるため、通信環境の不具合やサーバートラブルによる影響を受けることがあります。
万が一に備えて、オフライン対応機能の有無や、バックアップ手段の確認も重要です。
飲食店が予約台帳システムを選ぶときのポイント
予約台帳システムは種類が多く、それぞれに特徴があります。導入後のトラブルを避け、効果を最大限発揮させるためには、自店舗に合ったシステムを見極めることが重要です。以下のポイントを押さえて比較・検討しましょう。
料金体系との相性【従量課金or月額固定】
予約台帳を選ぶときは、料金体系が明確で、自店舗の運用スタイルに合っているかを確認しましょう。
サービスによっては、予約1件ごとに費用が発生する従量課金制を採用している場合があります。
この方式は、予約件数が少ない月には費用を抑えられるため、オープン直後の店舗や、シーズン変動が大きい業態には向いています。
一方、毎月一定の金額で利用できる固定費型のサービスは、
予約数が多い店舗や、繁忙期でも安定してコストを管理したい店舗に適しています。
どちらの方式にも利点があるため、自店舗の予約ボリュームや繁忙期の傾向を踏まえて選ぶことが大切です。
連携機能や拡張性は十分か
Google予約、食べログ、LINE、POSレジなど、他のシステムと連携できるかどうかは、業務効率に直結します。
オンライン予約の自動取り込みや、顧客データとの連携がスムーズに行えることで、手間やミスを大幅に減らすことができます。
将来的に多店舗展開や販促機能の拡充を考えている場合は、拡張性やAPI連携の有無もチェックしましょう。
スタッフが無理なく使えるか(操作性)
現場で実際に運用するのはスタッフです。
そのため、UI(画面の使いやすさ)や入力のしやすさは非常に重要です。
マニュアルがなくても使える操作性か、シニア層にも対応しやすい設計かどうかなどを確認しましょう。
可能であれば、無料トライアルで実際にスタッフに触ってもらうことをおすすめします。
サポート体制と導入支援の充実度
予約台帳は日々の業務に欠かせないツールとなるため、トラブル時のサポート体制が整っているかは重要です。
電話・チャット・メールでのサポートの有無、対応時間、初期設定の代行など、サービスによって内容が異なります。
不安がある場合は、導入時のサポート内容や操作研修の有無も事前に確認しておくと安心です。
飲食店の予約台帳選びでよくある質問(FAQ)
Q1. 紙の予約台帳からの移行は難しくありませんか?
多くのシステムは直感的な操作画面と充実したサポート体制を備えており、紙台帳からの移行でも安心して導入できます。
また、システムによっては初期設定やデータ移行を代行してくれるサービスもあります。
Q2. 小規模な飲食店でも導入するメリットはありますか?
はい、小規模店舗でも予約ミスの削減や顧客管理の効率化といったメリットがあります。
特に無料プランや低価格帯のシステムもあるため、規模に関係なく導入効果が期待できます。
Q3. 無料で使える予約台帳システムはありますか?
「レストランボード」や「リザーブキーパー」など、一部システムには無料プランや低価格プランが用意されています。
ただし、機能やサポートに制限がある場合もあるため、自店舗に必要な機能が含まれているか確認することが大切です。
Q4. どのくらいの期間で導入・運用開始できますか?
早ければ1〜2日で導入・運用が可能なシステムもあります。
ただし、事前のヒアリングや初期設定、スタッフへの説明などを含めると、1週間程度の準備期間を見ておくと安心です。
Q5. 飲食店向け予約台帳の料金・費用対効果はどのくらい?
料金は月額5,000円〜20,000円程度が相場ですが、無料プランがあるサービスも存在します。
費用に対して、業務効率化・ミスの削減・リピート率の向上・予約件数の増加など、複数の効果が期待できます。
導入前には、月間予約数や客単価と照らし合わせて、どの程度のコスト回収が見込めるかをシミュレーションすることが重要です。
まとめ
予約台帳には、紙のノート型からクラウド型システムまで、さまざまなタイプがあります。
紙台帳は手軽ですが、共有や分析が難しく、予約数が増えると管理が複雑になりがちです。
一方、クラウド型の予約台帳は費用はかかるものの、スタッフ間での共有や自動反映など、業務効率化に直結する利点があります。
Rリザーブでは、飲食店向けに「Googleで予約」連携や月額4,980円・手数料0円で使えるクラウド型予約台帳を提供しています。
店舗の規模や運用スタイルに合わせて、最適な台帳を比較・検討してみてください。


