飲食店では、予約のキャンセルや無断キャンセルによる食材ロスや機会損失が発生することがあります。こうしたトラブルを防ぐために重要なのが「キャンセルポリシー」です。
しかし、「どのような内容を記載すればよいのかわからない」「キャンセル料はどのように設定すればよいのか悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、飲食店のキャンセルポリシーに記載すべき項目や作成時のポイント、すぐに活用できるテンプレートや例文を紹介します。
目次
飲食店のキャンセルポリシーとは
飲食店のキャンセルポリシーとは、予約のキャンセルや人数変更が発生した際の対応ルールを明文化したものです。
キャンセルポリシーを事前に提示しておくことで、お客様との認識の違いを防ぎやすくなります。また、予約時点でルールを共有することで、キャンセル料に関するトラブルの防止にもつながります。
飲食店でキャンセルポリシーが必要な理由
ここでは、飲食店がなぜキャンセルポリシーを設定する必要があるのかについて詳しく解説します。
無断キャンセルや直前キャンセルによる損失を防ぐため
無断キャンセルや直前キャンセルが発生すると、確保していた席が空席になり、本来得られるはずだった売上を失う可能性があります。
また、予約人数に合わせて仕入れた食材や準備した料理が無駄になるケースも少なくありません。
特にコース料理や団体予約では店舗への影響が大きいため、事前にキャンセルポリシーを定めておくことが重要です。
無断キャンセルの具体的な対策やキャンセル料の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
キャンセル料に関するトラブルを防ぐため
キャンセル料を設定していても、お客様が事前に認識していなければトラブルになる可能性があります。
そのため、
・いつからキャンセル料が発生するのか
・いくら請求するのか
・人数変更は対象になるのか
などをあらかじめ明示しておくことが大切です。
キャンセルポリシーを掲載しておくことで、お客様との認識のズレを防ぎやすくなります。
飲食店のキャンセルポリシーに記載すべき項目
飲食店のキャンセルポリシーを作成する際は、キャンセル料だけでなく、連絡期限や人数変更の取り扱いまで明記しておくことが大切です。ルールが曖昧なままだと、お客様との認識にズレが生じ、トラブルにつながる可能性があります。
ここでは、飲食店のキャンセルポリシーに記載しておきたい主な項目を紹介します。
キャンセルの連絡期限
まず記載したいのが、キャンセルの連絡期限です。
たとえば、以下のように「いつまでに連絡すればキャンセル料が発生しないのか」を明確にします。
ご予約のキャンセルは、前日○時までにご連絡ください。
連絡期限を決めておくことで、店舗側は食材の仕入れや席の調整を行いやすくなります。特にコース料理や団体予約の場合は、準備に時間がかかるため、早めの連絡期限を設定しておくと安心です。
キャンセル料が発生する条件
次に、キャンセル料が発生する条件を記載します。
キャンセル料を設定する場合は、以下のように「いつ」「どの程度の料金が発生するのか」を具体的に示しましょう。
| キャンセル時期 | キャンセル料の例 |
| 2日前 | コース料金の30% |
| 前日 | コース料金の50% |
| 当日 | コース料金の100% |
| 無断キャンセル | コース料金の100% |
ただし、キャンセル料の設定は店舗の業態や予約内容によって異なります。席のみ予約、コース予約、団体予約など、自店舗の予約形態に合わせて設定しましょう。
無断キャンセル時の対応
無断キャンセルが発生した場合の対応も明記しておくと安心です。
たとえば、以下のような内容を記載できます。
ご連絡なく来店されなかった場合は、無断キャンセルとしてキャンセル料を請求させていただく場合がございます。
無断キャンセルは、席の確保や仕入れに影響するため、通常のキャンセルとは別に扱う店舗もあります。事前に対応方針を示しておくことで、お客様にも予約の重要性を理解してもらいやすくなります。
人数変更時の取り扱い
キャンセルポリシーには人数変更時のルールも記載しておくとよいでしょう。
人数変更は前日までにご連絡ください。当日の人数減少については、減少人数分の料理代を頂戴する場合がございます。
特にコース予約では、人数分の料理を事前に準備している場合があります。人数変更の期限や、当日減少した場合の扱いを明確にしておくことで、トラブル防止につながります。
悪天候や災害時の対応
台風や大雪、地震など、やむを得ない事情で来店が難しくなる場合もあります。
このようなケースに備えて、悪天候や災害時の対応も記載しておくと丁寧です。
悪天候や公共交通機関の運休など、やむを得ない事情がある場合は、個別に対応いたします。
すべてのケースを細かく決める必要はありませんが、「やむを得ない事情がある場合は相談可能」と記載しておくことで、お客様にも安心感を与えられます。
飲食店向けキャンセルポリシーテンプレート・例文【コピペ可】
ここでは、飲食店で活用できるキャンセルポリシーのテンプレート・例文を紹介します。
予約内容によって適切なルールは異なるため、自店舗の運営方法や予約形態に合わせて内容を調整してください。
基本的なキャンセルポリシーテンプレート
基本テンプレートでは、キャンセルの連絡期限やキャンセル料の発生条件を明確に記載します。ホームページや予約フォームなど、幅広い場面で活用しやすい内容です。
【例文】
ご予約のキャンセル・人数変更は、〇日前までにご連絡ください。
〇日前以降のキャンセルにつきましては、以下のキャンセル料を頂戴する場合がございます。
・〇日前:ご予約料金の〇%
・前日:ご予約料金の〇%
・当日:ご予約料金の〇%
・無断キャンセル:ご予約料金の〇%
なお、悪天候や公共交通機関の運休など、やむを得ない事情がある場合は個別に対応いたします。
席のみ予約向けキャンセルポリシーテンプレート
席のみ予約ではコース料金が決まっていないため、キャンセル料を「1人あたり〇円」と設定するケースがあります。キャンセル料を設定する場合は、予約時にキャンセルポリシーを確認してもらうことが重要です。
【例文】
席のみ予約のキャンセル・人数変更は、できるだけ早めにご連絡ください。
ご連絡なく来店されなかった場合や、当日の直前キャンセルが発生した場合は、キャンセル料としてお一人様あたり〇円を頂戴する場合がございます。
人数変更がある場合も、事前にご連絡をお願いいたします。
コース予約向けキャンセルポリシーテンプレート
コース予約では、食材の仕入れや仕込みが事前に発生するため、キャンセル期限とキャンセル料を具体的に記載することが大切です。当日の人数減少に関するルールも明記しておくとよいでしょう。
【例文】
コース予約のキャンセル・人数変更は、〇日前までにご連絡ください。
期限を過ぎてからのキャンセルにつきましては、以下のキャンセル料を頂戴いたします。
・〇日前:コース料金の〇%
・前日:コース料金の〇%
・当日:コース料金の〇%
・無断キャンセル:コース料金の〇%
当日の人数減少についても、減少人数分のコース料金を頂戴する場合がございます。
団体・貸切予約向けキャンセルポリシーテンプレート
団体予約や貸切予約は、席の確保や仕込みへの影響が大きいため、通常予約よりも早めのキャンセル期限を設定するケースが一般的です。
特に貸切予約は店舗全体の売上に影響するため、キャンセル料や人数変更のルールを明確にしておくことが重要です。
【例文】
〇名様以上の団体予約および貸切予約については、キャンセル・人数変更の期限を通常予約とは別に設定しております。
キャンセルは〇日前までにご連絡ください。
期限を過ぎた場合は、以下のキャンセル料を頂戴する場合がございます。
・〇日前:ご予約料金の〇%
・前日:ご予約料金の〇%
・当日:ご予約料金の〇%
・無断キャンセル:ご予約料金の〇%
大幅な人数変更がある場合は、できるだけ早めにご相談ください。
記念日・誕生日プラン向けキャンセルポリシーテンプレート
記念日プランや誕生日プランでは、特別な食材やケーキ、花束などを事前に手配する場合があります。そのため、通常の予約よりも早めにキャンセル期限を設定しておくと安心です。
【例文】
記念日プランのキャンセルは2日前までにご連絡ください。
前日以降のキャンセルにつきましては、手配済みの料理やケーキ代相当額を頂戴する場合がございます。
人数変更がある場合も、できるだけ早めにご連絡をお願いいたします。
飲み放題付きコース向けキャンセルポリシーテンプレート
飲み放題付きコースは宴会や歓送迎会などで利用されることが多く、人数変更が発生しやすい傾向があります。そのため、キャンセルだけでなく人数変更に関するルールも明記しておきましょう。
【例文】
飲み放題付きコースの人数変更は前日までにご連絡ください。
当日の人数減少につきましては、減少人数分のコース料金を頂戴する場合がございます。
当日のキャンセルおよび無断キャンセルにつきましては、コース料金の100%を申し受けます。
飲食店のキャンセル料の設定例
キャンセルポリシーを作成する際は、キャンセル料をどのように設定するかも重要です。
キャンセル料に一律の決まりはありませんが、予約内容や仕込みの有無、席の確保による影響を踏まえて設定する必要があります。
ここでは、飲食店で使いやすいキャンセル料の設定例を紹介します。
| 予約内容 | キャンセル料の設定例 |
| 席のみ予約 | 無断キャンセル時に1人あたり 〇円 |
| コース予約 | 前日50%、当日100% |
| 団体予約 | 3日前50%、前日80%、 当日100% |
| 貸切予約 | 7日前以降50%、当日100% |
| 記念日プラン | 前日以降、手配済みの料理・ ケーキ代相当額 |
上記はあくまで一例です。実際に設定する際は、店舗の業態や予約単価、食材の準備状況に合わせて調整しましょう。
席のみ予約の場合
席のみ予約では、コース料金が決まっていないため、キャンセル料を設定しにくいケースがあります。
そのため、無断キャンセルや当日キャンセルが発生した場合に「1人あたり〇円」と設定する方法があります。
ただし、請求する可能性がある場合は、予約時にキャンセルポリシーを確認してもらうことが重要です。
コース予約の場合
コース予約では、料理内容や人数に合わせて食材を準備するため、キャンセル料を設定しやすい予約形態です。
例えば、前日キャンセルはコース料金の50%、当日キャンセルや無断キャンセルは100%といった設定が考えられます。
人数変更が発生しやすい場合は、当日の人数減少についてもルールを明記しておきましょう。
団体・貸切予約の場合
団体予約や貸切予約は、席の確保やスタッフ配置への影響が大きいため、通常予約より早めにキャンセル期限を設定するケースがあります。
例えば、3日前以降は50%、前日は80%、当日や無断キャンセルは100%といった段階的な設定が考えられます。
貸切予約の場合は、店舗全体の売上に影響するため、通常の団体予約よりも早めの期限を設けると安心です。
記念日プランの場合
記念日プランでは、ケーキや花束、特別な食材などを事前に手配することがあります。
そのため、前日以降のキャンセルでは、手配済みの料理やケーキ代相当額をキャンセル料として設定する方法があります。
特別な手配が必要なプランでは、通常のコース予約とは別にキャンセル条件を記載しておくとよいでしょう。
飲食店のキャンセルポリシーに関するよくある質問
飲食店のキャンセルポリシーについて、よくある質問をまとめました。
キャンセルポリシーを掲載していない場合でも請求できますか?
キャンセルポリシーを事前に掲載していない場合、キャンセル料の請求をめぐってトラブルになる可能性があります。
キャンセル料を設定する場合は、予約前または予約時にお客様が確認できる場所へ掲載し、ルールを明確にしておくことが大切です。
席のみ予約にもキャンセルポリシーは必要ですか?
席のみ予約でも、キャンセルポリシーを設けることは可能です。
特に無断キャンセルや直前キャンセルが多い店舗では、キャンセルの連絡期限や無断キャンセル時の対応を明記しておくと安心です。席のみ予約のキャンセル対策については、関連記事で詳しく解説しています。
席のみ予約のキャンセル対策について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
キャンセルポリシーはどこに掲載するべきですか?
ホームページ、予約フォーム、予約確認メールなど、お客様が予約前後に確認できる場所へ掲載しましょう。
特にネット予約を受け付けている場合は、予約確定前にキャンセルポリシーを表示し、確認してもらえる導線を作ることが大切です。
電話予約の場合は、予約受付時にキャンセル期限や人数変更のルールを口頭で案内しましょう。
まとめ
飲食店のキャンセルポリシーは、予約のキャンセルや人数変更に関するルールを明確にするために重要です。
特に、コース予約や団体予約を受け付けている店舗では、キャンセル期限やキャンセル料、無断キャンセル時の対応を事前に決めておくことで、トラブル防止につながります。
作成したキャンセルポリシーは、ホームページや予約フォーム、予約確認メールなど、お客様が確認しやすい場所に掲載しましょう。