飲食店の予約管理を効率化したいと考えている方に注目されているのが、「食べログノート」と「サイトコントローラー」の連携です。
予約在庫の一元管理が可能になり、ダブルブッキングや人的ミスの防止にもつながります。本記事では、仕組みや設定方法、導入メリットまでわかりやすく解説します。
目次
食べログノートと連携できるサイトコントローラー
食べログノートで複数のグルメサイトをまとめて管理したい場合、在庫の同期が可能なサイトコントローラーとの連携が必要になります。現在、公式に案内されているサイトコントローラーは限られており、まずはその正しい構造を理解しておくことが重要です。
公式に連携できるサイトコントローラーは「レスラク」のみ
食べログノートのサイトコントローラー連携として公式に案内されているのは、現時点では「レスラク(RESRAKU)」のみです。
レスラクは、複数のグルメサイトに掲載している席在庫をまとめて管理できるサービスで、食べログノートと連携することで在庫の自動同期が可能になります。これにより、媒体ごとに在庫を手動で調整する必要がなくなり、ダブルブッキングの防止や管理工数の削減につながります。
サイトコントローラー機能を持つ予約台帳とも連携可能
食べログノートは、サイトコントローラー連携とは別に「予約台帳システム」との連携にも対応しています。特に以下のサービスは、予約台帳でありながらサイトコントローラー機能を持ち、複数媒体の在庫管理にも活用できます。
下記はそれぞれの特徴をまとめた一覧です。
■ 予約台帳+サイトコントローラー機能を持つサービス
| サービス名 | 強み | 向いている店舗 |
| ebica | 複数媒体連携に強い | 多店舗展開・ 予約チャネルが多い店舗 |
| TableCheck (テーブルチェック) |
国際対応・多言語UI | 高級店・インバウンド対応が 必要な店舗 |
| Resty (レスティ) |
CRM・顧客管理に強い | 常連管理に力を入れたい店舗 |
※食べログノートで「公式サイトコントローラー」と案内されているのはレスラクのみですが、上記の台帳と連携することで同様の運用ができるケースもあります。導入時は、どの媒体を同期したいか・通知方法・台帳運用の有無を比較検討することが重要です。
食べログノートとサイトコントローラー(レスラク)を連携する方法
連携を行うには、まずレスラク側の契約が必要です。契約後、レスラクのサポート窓口へ「食べログノートとの連携希望」と伝えると、食べログ側と調整のうえで設定が進められます。
設定方法は以下の手順です。
1. 「食べログレストランID」を入力
2. 食べログ管理画面でご使用の「ログインID」を入力
3. 食べログ管理画面でご使用の「パスワード」を入力
4. 「API認証キー」を入力
(レスラクの方で認証キーを発行し入力するため、一旦小文字の「a」など何か一文字を入力)
5. 「連携を有効にする」にチェックを入れずに「保存する」をクリック
補足:設定がうまくいかない場合の対処法
– サイトコントローラー側の設定(APIキーや接続ID)が正しいか
– 対象店舗の設定が正しく紐付けられているか
– 両システムの連携が有効化されているか
それでも解決しない場合は、食べログオーナーサポートまたはサイトコントローラー提供元のサポート窓口へ問い合わせましょう。
食べログノートとは?機能とできることを解説
食べログノートとは、株式会社カカクコムが提供する飲食店向けの無料業務支援ツールで、主に予約管理・顧客管理・在庫管理の機能を備えています。食べログに店舗情報を掲載している飲食店であれば、誰でも利用することができます。
主な機能と特徴
– 予約管理:電話・ネット予約を一元的に管理可能。予約状況をカレンダーで確認しやすい設計。
– 顧客管理:来店履歴や利用回数などを記録し、リピーター対応に活用。
– 在庫管理:席数の在庫設定を柔軟に行うことができ、混雑状況の把握にも役立つ。
– スタッフ共有:店舗スタッフ間で情報を共有しやすく、業務の引き継ぎもスムーズ。
このツールは、食べログの店舗会員管理ページ(オーナー管理画面)からアクセスでき、特別な導入作業は必要ありません。また、後述する「サイトコントローラー」と連携することで、他予約サービスとの在庫同期も可能になります。
サイトコントローラーとは?予約管理を効率化する仕組み
サイトコントローラーとは、複数のグルメサイトや予約システムに登録された「席の在庫」や「予約情報」を一元的に管理できるシステムのことです。飲食店が 食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ など複数の予約サービスを利用している場合、それぞれのサービスで予約・在庫の管理をするのは非常に手間がかかります。
この課題を解決するのが、サイトコントローラーです。
サイトコントローラーの主な役割
– 在庫の一元管理:各グルメサイトに表示される席数を、サイトコントローラーから一括で管理。
– 予約情報の自動連携:ある予約サイトで席が埋まると、他サイトでも自動的に在庫が減少。
– ダブルブッキングの防止:リアルタイムで在庫情報が反映されるため、二重予約のリスクを回避。
これにより、人的ミスの削減や、スタッフの業務負担軽減にもつながります。多くの飲食店が、予約業務の効率化を目的として導入しています。
サイトコントローラーを導入すべき店舗の特徴
サイトコントローラー導入の判断基準は次の通りです。
・食べログ以外にも掲載媒体が複数ある
・ダブルブッキングが発生しやすい
・入力作業に時間がかかり現場負荷が高い
・予約在庫管理を自動化したい
媒体数が少ない店舗では台帳連携だけで十分なこともあります。どの連携方式が最適かは、自店の運用スタイルに合わせて選択することが望ましいです。
食べログノートとサイトコントローラー連携のメリット
食べログノートとサイトコントローラーを連携することで、予約管理の手間が軽減されるだけでなく、業務全体の効率化や接客品質の向上にもつながります。ここでは、連携によって得られる主なメリットを紹介します。
1. ダブルブッキングの防止
複数の予約チャネルを使っていると、同じ時間帯に複数の予約が入ってしまう「ダブルブッキング」が起きやすくなります。しかし、連携により在庫がリアルタイムで同期されるため、1つのチャネルで席が埋まれば、他のチャネルでも即座に反映されます。これにより、二重予約のリスクを最小限に抑えることができます。
2. スタッフの予約管理業務が軽減
予約情報が自動で取り込まれるため、電話やメールでの確認・転記作業が不要になります。これにより、スタッフは日々の業務に追われることなく、接客や料理の提供など本来のサービス業務に集中できるようになります。
3. 在庫の一元管理による効率化
どの予約チャネルで予約が入っても、在庫数が一括で更新されるため、店舗側で複数のシステムを行き来する必要がありません。これにより、席の空き状況を常に正確に把握でき、無駄な空席や取りこぼしを防げます。
4. 顧客満足度の向上
予約対応がスムーズになることで、予約時点から顧客に対する信頼感を提供できます。さらに、サイトコントローラー側の顧客情報と連携させれば、来店履歴や好みなどの情報を活用し、リピーター対応や特別な接客にも活かすことが可能です。
5. 店舗オペレーションの標準化・属人化防止
予約や在庫管理が仕組み化されることで、「この人じゃないとわからない」といった属人化を防ぎます。新人スタッフでも業務を引き継ぎやすくなり、店舗運営の安定性が向上します。
このように、連携によるメリットは予約管理だけにとどまらず、店舗全体のサービス品質や経営効率にも大きな影響を与えます。特に多店舗展開や予約数が多い飲食店にとっては、導入効果の高い施策といえるでしょう。
食べログノートとサイトコントローラー運用の注意点
食べログノートと外部のサイトコントローラー・予約台帳を併用する際は、設定次第で運用が安定する一方、管理ルールが曖昧だと在庫の不整合や予約ミスにつながることがあります。
以下では、運用時に特に注意すべきポイントを紹介します。
在庫の管理元を明確にする
複数の媒体・台帳を併用している場合、「どこで在庫を更新するのが正しいか」を決めておかないと反映ずれが発生します。
- 原則は「サイトコントローラー側で在庫管理」を一本化
- 食べログ側だけで操作すると整合性が崩れる場合あり
- 休業日設定・特別営業日など例外設定は必ず同期確認
1回の変更が全媒体に反映される仕組みが魅力なので、反映元を分散させないことが重要です。
媒体ごとの予約仕様の違いを理解する
予約サイトごとに、変更ルール・キャンセル反映・座席などの扱いが異なります。特に次の部分は事前に把握しておくと運用が安定します。
- キャンセルが自動反映される媒体/手動対応が必要な媒体がある
- コース・席種ごとに反映可否が異なるケースが存在
- スマホ版管理画面では表示項目が制限されることもある
「連携=完全同期」ではない点に注意が必要です。
導入時にテスト予約を必ず実施する
連携設定しても店舗環境・媒体設定により反映に誤差が出ることがあります。そのため、導入直後は必ずテストを行うべきです。
- 食べログ → ノート反映までのタイムラグ確認
- 予約→変更→キャンセル時の流れをテスト
- 在庫が正しく減り、戻るかチェック
運用開始前にミスを洗い出しておくことで、トラブル防止につながります。
現場での運用ルールを統一する
機能が整っていても、スタッフごとに操作方針が違うと在庫が乱れます。共有ルールを作ることで、管理トラブルが減少します。
例:統一するべきルール
| 項目 | 例 |
| 予約入力の操作場所 | すべて台帳で入力/電話予約はノート入力 など |
| 変更・キャンセル処理 | 常に台帳から行う/必ずメール通知後に反映確認 |
| 休業日設定の担当者 | 担当者を固定し、二重編集を防ぐ |
食べログノートとサイトコントローラーの連携に関するよくある質問
食べログノートとサイトコントローラーの連携を検討している飲食店からは、事前に確認しておきたい疑問や不安の声が多く寄せられています。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1. どのサイトコントローラーと連携できますか?
A. 現時点では、レスラク、ebica、Resty、TableCheck などの主要なサイトコントローラーと連携可能です。連携先は今後も順次拡大される可能性があるため、最新情報はオーナーサポートページをご確認ください。
Q2. 連携には料金がかかりますか?
A. 食べログノートの利用自体は無料ですが、連携するサイトコントローラー側での契約や月額利用料が発生します。具体的な費用は各サービスによって異なるため、各社に直接ご確認ください。
Q3. 在庫がリアルタイムで反映されるまでにタイムラグはありますか?
A. リアルタイムに近い形で同期されます。ただし、通信環境や設定内容によっては、数十秒〜数分のズレが生じることがあります。常に安定したインターネット接続環境を保つことが重要です。
Q4. 一度連携を解除した場合、再設定は可能ですか?
A. はい、再設定は可能です。ただし、再接続時には初回設定と同様の手順(IDやAPIキーの再入力など)が必要になる場合があります。設定情報は安全に保管しておきましょう。
まとめ|食べログノートとサイトコントローラーで予約管理を最適化
食べログノートとサイトコントローラーを連携すると、複数の予約チャネルの在庫が自動で同期され、ダブルブッキング防止や入力作業の削減につながります。初期設定後は自動で反映されるため、ITが得意でない店舗でも運用しやすい点が特徴です。
TableCheck・トレタ・ebica などサイトコントローラー機能が備わっている主要な予約台帳とも連携でき、既存ツールを使っている店舗でも導入しやすい仕組みです。予約導線が増える現在、予約管理を標準化し業務効率を高める手段として有効といえます。