食べログ掲載拒否はできない?削除依頼方法や裁判事例を解説

飲食店を経営していると、知らないうちに食べログへ店舗情報が掲載されていることに気づくことがあります。「掲載をやめてほしい」「口コミによって評判が悪くなるのでは」と不安を抱く方も少なくありません。しかし、食べログの仕組み上、店舗側の希望だけで掲載を完全に拒否することはできないのが実情です。とはいえ、すべてを諦める必要はなく、掲載情報の修正や削除を求められるケースもあり、また公式サイトやSNSを活用することで信頼できる情報発信を行うことも可能です。本記事では、食べログに掲載される仕組みから、掲載を拒否できるかどうか、そして現実的な対処法までをわかりやすく解説します。

食べログに勝手に掲載される仕組み

食べログは、飲食店側が申請しなくても情報が掲載される仕組みを採用しています。これは、ユーザーにできるだけ多くの店舗情報を提供するためであり、以下のような情報源をもとに掲載されます。

・電話帳やタウンページなどの公開情報
・インターネット上の店舗情報(公式HP、SNS など)
・一般ユーザーからの情報提供

そのため、飲食店が「掲載を希望していない」としても、基本的には自動的に登録されてしまいます。特に飲食店の場合は口コミサイトの利用者が多いため、網羅性を重視する食べログの方針として、掲載拒否が難しい仕組みになっています。(参考:食べログ:店舗ページ広告表現ガイドライン

食べログ掲載拒否はできるのか?

結論から言うと、食べログに掲載を完全に拒否することは原則できません。 これは、食べログの利用規約や運営方針によるもので、飲食店の同意を得ずに情報を掲載できる仕組みを採用しているためです。

ただし、例外的に「削除」や「非掲載」が認められるケースがあります。

・店舗がすでに閉店している場合
・掲載されている情報が事実と異なる場合(住所や電話番号の誤りなど)
・著しく不適切な写真や情報が含まれている場合

これらに該当する場合は、食べログの運営会社へ修正・削除の依頼をすることが可能です。しかし「お店の方針として掲載したくない」「口コミサイトに載りたくない」といった理由だけでは、削除や拒否は基本的に認められません。

食べログ掲載拒否を法的に対応できるケース

食べログの掲載自体を拒否することは難しいですが、口コミや投稿内容が違法な場合には法的に削除を求められるケースがあります。特に以下のような場合が対象となります。

1. 名誉毀損にあたる口コミ

「料理が不衛生だった」「店主が詐欺をしている」など、根拠なく店舗や経営者の社会的評価を下げる表現は名誉毀損に該当する可能性があります。

2. 信用毀損・業務妨害となる書き込み

「食中毒を出している」など虚偽の情報を拡散する口コミは、信用毀損罪や偽計業務妨害罪に当たる場合があります。

3. プライバシー侵害

従業員の個人情報や顔写真を無断で掲載された場合は、プライバシー権侵害として削除を請求できることがあります。

弁護士に依頼する流れ

違法性がある口コミや写真が削除されない場合、弁護士を通じて「削除請求」や「発信者情報開示請求」を行うことが可能です。

・削除請求:
食べログ運営に対して、問題の口コミや写真を消すよう求める

・発信者情報開示請求:
投稿者を特定し、損害賠償請求など法的手段に進める

法的対応は時間や費用がかかる一方で、深刻な被害を受けている場合には有効な解決手段となります。

食べログの掲載を拒否できない場合の代替手段

掲載拒否が難しい以上、飲食店としては「どう付き合うか」を考えることが重要です。否定的な口コミや望まない掲載に悩むより、積極的に対策を取ることでイメージを改善することができます。

1. 店舗公式サイトやSNSでの情報発信

公式ホームページやInstagram・X(旧Twitter)を通じて最新情報を発信すれば、食べログ以外の情報源からお客様に正しい情報を届けられます。特に営業時間・定休日・メニュー変更などは公式から発信しておくと信頼性が高まります。

2. Googleビジネスプロフィールの活用

Googleマップに店舗情報を登録すると、検索や地図から直接お店を見つけてもらえます。食べログに依存せず、自分で情報を管理できるのが大きなメリットです。

3. 食べログ内での情報管理

完全に拒否できなくても、掲載されている情報を正しく整えることで誤解を防げます。

・営業時間・住所・電話番号を最新に更新
・店舗写真を公式のものに差し替え依頼
・店舗PR欄を活用して正しい魅力を発信

4. 良い口コミを増やす工夫

実際に来店したお客様が自然と良い口コミを書いてくれるよう、接客やサービスに力を入れることも有効です。短期的にコントロールはできませんが、長期的に店舗評価の改善につながります。

食べログ掲載拒否に関する実際の相談・トラブル事例

「食べログ 掲載拒否」に関しては、実際に多くの飲食店が悩みを抱えており、ネット上には相談や体験談が数多く投稿されています。ここでは代表的な事例を紹介します。

1. Yahoo!知恵袋での相談

ある飲食店経営者は「掲載を拒否したいのに、勝手に掲載されて困っている」と相談しています。回答では「基本的に削除はできないが、虚偽情報や閉店であれば対応してもらえる」との意見が寄せられており、運営方針の厳しさがうかがえます。(参考:Yahoo!JAPAN知恵袋

2. SNSでの声

Twitter(現X)では、「勝手に掲載されて困っている」「口コミで営業妨害に近い内容を書かれた」といった投稿が散見されます。中には弁護士相談を検討している店舗もあり、深刻に受け止めているケースがあることが分かります。

3. 訴訟に発展したケース

過去には、口コミの点数評価が店舗の売上に悪影響を及ぼしたとして、食べログ運営会社を相手取って訴訟が起こされた例もあります。裁判では「口コミ点数は表現の自由に基づく」として店舗側の主張が退けられましたが、飲食店にとって掲載や評価が大きな影響力を持つことを示す事例といえます。(参考:ネット誹謗中傷弁護士相談ナビ

まとめ:掲載拒否は難しいが対応策はある

食べログへの掲載は原則として拒否できず、店舗側の希望だけで削除されることはありません。閉店している場合や掲載内容に明らかな誤りがある場合、さらに名誉毀損やプライバシー侵害にあたる情報が含まれている場合には修正や削除が認められる可能性があります。掲載を拒否できないからこそ、公式サイトやSNS、Googleビジネスプロフィールを活用して正しい情報を発信することが重要です。食べログ内の情報を最新に整えることも、誤解を避ける有効な方法となります。深刻な被害を受けている場合には、弁護士に相談して法的な対応を検討することが現実的な解決策となるでしょう。

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